
<ポタジェのある暮らしシリーズ>
和ハーブインストラクターの半谷美野子さんによるコラム。9月は冬に向けて大活躍の白菜のお話です。
~ 白菜のお話 ~
冬野菜の代表のひとつ「白菜」。日本人にとってお馴染みの野菜ですが、育てたことがある方は少ないのではないでしょうか?
今は一年中、手に入る白菜ですが、冷涼地以外で育てる場合以外は、冬が旬のアブラナ科の野菜。春まで育てると菜の花にとても似ている白菜の花が見られ、花もエディブルフラワーとしておいしく頂けます。
種まき時季は、8月末から9月のはじめで、これからが白菜栽培の時季。約4か月かけて生長し、冬に収穫します。

日本の白菜はどこから?
お鍋や漬物、お味噌汁など、和食には欠かせない白菜ですが、実は日本人の食卓にのぼるようになったのは、近代になってからの話。
白菜の原産地は地中海沿岸といわれ、中国を経て、日本に江戸時代後期から明治に伝来し、そこから試行錯誤しながら栽培が試みられ、「結球種」と呼ばれる今の白菜は昭和に入ってから流通するようになったそうです。
「白菜」という名前も中国名からきており、外国では英名の「中国のキャベツ」を意味する「Chinese cabbage」と書かれて売られているのを見たことがあります。私も、18年前、マレーシアで生活するまでは、白菜が日本の野菜だと思っていたため、スーパーで英名を見た時は「中国の野菜だったの!?」とびっくりしたのを今でも覚えています。
「結球」?
さて、「結球種」と前述しましたが、白菜を育てる時のドキドキは白菜がきちんと葉っぱが密に集まって球型になるかどうかというところ。白菜だけではなく、キャベツやレタスも同じで、種まき時期や肥料、気温、土壌、害虫など様々な要因で、葉がうまく巻いてこない時があります。白菜も明治時代に中国から入手した結球種の種を栽培しようとしたところ、なかなかうまく結球せず、苦労した話が残っていることからも、「結球種」であっても、育ててみると結球は意外と難しいもの。
「いつ葉が巻いてくるだろう?」と待っていても、結球せず、開いたままで緑の部分の多い、白菜を収穫したこともあるため、巻いた時の感動は忘れられません。
売っている白菜は結球して、葉が密なものだけなので、農家さんは流石です。
ちなみに、巻かなくてもおいしく食べられますが、葉の枚数が少ないので、あっという間に食べ終わってしまうため、やっぱり結球した方が食べごたえもあり、保存もきくので、結球するように祈りながら育てたくなります。

「白菜を育てるポイント」 ~ 農家でもある海老澤糀店さんより ~
種まき:秋らしい期間が短いため、巻き時が難しく、早すぎると虫にやられ、遅いと巻かないため、苗から作る場合は、種を何日かずらして蒔いてみるのもよいかもしれません。
土:今回は苗からみなさんは育てるので、一番大切なのは土。栄養豊富な土を使うことで、大きく育ち、収穫後も脇から葉が出てきて、それをサラダ菜のように食べられるので、土づくりを研究してみてください。
「キムチの話」
●白菜の栄養
一見白くて、水分も多い白菜ですが、実は栄養満点。低カロリーで食物繊維豊富。ビタミンC、ビタミンK、葉酸、カリウム、カルシウム、亜鉛など風邪予防や、身体の健康維持、美容効果もあるとされる、ビタミンとミネラルがなどの含有量も高く、冬の健康を支えてくれる大切な野菜です。
身体によいとわかっていても量が多いと食べ方に困る方もいる白菜。そんな時におすすめなのが、保存食にもなる自家製キムチです。
●キムチは発酵食品
日本人の食卓にのぼるようになって久しいキムチですが、「発酵食品」として意識している方はどのくらいいらっしゃるでしょう?
韓国の伝統的な発酵食品であるキムチは、白菜や大根などの野菜を塩漬けし、発酵させた食品。日本には乳酸発酵をさせた「発酵キムチ」と調味料に野菜を漬け込んだだけの「非発酵キムチ」の2種類が売られているので、発酵食品かどうか見分けるのはちょっと難しいかもしれません。
「発酵」の文字が書かれており、添加物や原材料が少なく、時間がたつと酸味が増してくるものが「発酵キムチ」であることが多いといわれています。
美味しければどちらでもよいと思うかもしれませんが、発酵キムチは乳酸菌が腸内環境を整え、免疫力を高めたり、疲労回復などの効果があるといわれているので、健康への効果を期待する方には発酵しているキムチがおすすめです。
●キムチの材料
味噌や醤油、納豆やチーズなど数種類の材料だけで作られる発酵食品が多いのですが、キムチは色々な材料を混ぜて作るのが面白いところ。
白菜や大根、塩、唐辛子など基本の材料のほかに、玉葱、生姜、ニンニク、人参、長葱、ニラなど入れる野菜も作る人によって様々。その他、りんごやナンプラー、アミの塩辛などを入れる方など隠し味も多いので、材料が手に入りやすいレシピを見つけて作ってみるのがよいと思います。
ちなみに粉唐辛子は国産のものでは辛すぎるので、販売されている韓国産の唐辛子で作るのがおすすめ。
キムチの仕込みは作り方によってちがいますが、数時間ほどあればできます。作り方の流れは以下のとおり。
1. 白菜の塩漬け(数時間天日干ししてから塩漬けする場合も)
2. 水切り
3. 白菜以外の材料でヤンニョム作り
4. ビニール袋やホーローなどにおいがつきにくい容器に入れる
5. 3~5日冷暗所で熟成&発酵
6. 完成!
1週間以上たつと、酸っぱくなるので、お鍋や炒め物に入れると食べやすいです。
白菜を育てるところから、キムチまでちょっと長いですが、この冬は白菜&キムチを楽しみながら、心もからだも健康な生活いかがでしょう?
「海老澤糀店さんのキムチづくりのポイント」
塩加減と水出し
本漬けの前日準備で、白菜を塩漬けにして水を出すときに、しっかりと絞らないと、キムチが水っぽくなってしまいます。その時の塩で白菜の味が決まるので、この段階の塩が大切だということを覚えておいてもらえるといいかと思います。
