いちごを育てる楽しみと苺大福~ポタジェのある暮らし〈10月〉

いちごを育てる楽しみと苺大福~ポタジェのある暮らし〈10月〉






<ポタジェのある暮らしシリーズ>

和ハーブインストラクターの半谷美野子さんによるコラム。10月は家庭菜園でも人気のいちごのお話です。


冬から春のお楽しみの果物のひとつといえば“いちご”を思い浮かべる方もいらっしゃるのではないでしょうか?考えるだけで、なんだかワクワクしてくる“いちご”。

そんないちごの歴史や育て方、そしていちご大福のお話をさせていただきたいと思います。




~ “ いちご ” とは? ~



日本人で“いちご”を知らない人はいないと思いますが、実は「イチゴ」という和名の植物はなく総称で、和名はバラ科のオランダイチゴ属の栽培種「オランダイチゴ(学名:Fragaria x ananassa (Weston) Duchesne ex Rozier)」。


この私たちにとっての“いちご”が日本に入ってきたのは江戸時代といわれ、明治時代に栽培されはじめ、戦後に温室栽培が普及してから、栽培が盛んになったといわれています。

オランダイチゴが入ってくる前の時代の“いちご”は今の時代、“木いちご”や“野いちご”と呼んでいる、野生のいちごたち。『日本書紀』や『新撰字鏡』には、いちごの古語「伊致寐姑(いちびこ)」や「一比古(いちびこ)」で記載されているそうです。



ちなみに、農林水産省のHPによると、「園芸学では、木の実(木本性)は果物(果樹)、草の実(草本性)は野菜と分類します。草本性であるいちごは野菜。また、農林水産省の作物の統計調査でも野菜に含まれています。ただし、実際は果物と同じように食べられていることから「果実的野菜」とも呼ばれています。」とのこと。


私たちがあたりまえだと思っている「いちごは果物」も厳密にいえば、「オランダイチゴは野菜」ということのようです・・・。さて色々書きましたが、ここでは、オランダイチゴを“いちご”と呼び、ときめく果物としてご紹介していきたいと思います。








~ いちごを育てる楽しみ ~



今は温室栽培が多いため、冬から収穫がはじまり、初夏まで店頭に並んでいるいちごですが、屋外で育てた場合、春に収穫。店頭からいちごが無くなり出す5月頃からいちごが採れるので、「まだまだいちごが楽しめる!」となんだか得した気分になります。



そして、苗植えの適期は9~10月、今がシーズン。地植えだけではなく、プランター、植木鉢で育てることもできるので、お庭や畑が無くても育てられるところも魅力的。


花期は4~5月頃。バラ科らしい、5枚の白い花弁がかわいらしく、花もときめきます。そして、この花の花粉を花から花へ運んでくれるのが、ミツバチたち。いちご栽培のガラスハウスの中には実はミツバチの巣箱が置いてあって、ミツバチのおかげで、あの美味しいイチゴができるのです!ミツバチがきたら「いちごをよろしくね!」とあたたかく見守って、応援してあげたくなります。

そして、黄緑色のいちごが赤くなり、感動の収穫!となるのですが、いちごを待っているのは、私たちだけでなく、鳥も虫も狙っているので網などの防御をお忘れなく。地植えの場合は土について悪くなったり、ナメクジにやられるので、藁やビニールマルチなど土に直接つかない工夫が必要です。プランターや鉢はうまく垂らすと綺麗ないちごができます。


収穫後はランナーといって、親株からつるが伸びてきて、先に子株ができます。その子株ひとつひとつから根が生えるので、夏にその子株(親株から1番目の子株は親株から病害伝播の可能性があるので、苗として利用するのは主に2番目と3番目がおすすめ)を親株から切り離して、ポットで育てるとまた新たないちごの株ができるので、それをまた秋に植えて増やしていくのもいちご栽培の楽しみのひとつです。ちなみに私の庭のいちごは親株を植えてから、10年ほど代々ずっと続いていました。



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「関市のいちご農園“ohana農園”さんからのアドバイス」

・ 水やりは午前中にあげるのが大切。午後にあげると病気になりやすいといわれています。

・ なによりも日当たりと風通しが重要です。ハウスの場合は湿気の管理もこまめにおこなっています。

・ デリケートなのでよく観察して、大切に育てるのが、赤くて美味しいいちごができるポイントです。

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~ いちごの栄養 ~



いちごの栄養といえば、ビタミンCが豊富なことが有名。その量はみかんよりも多く、大きさにもよりますが、10粒ほど食べると1日に必要なビタミンCがとれるという話もあるほどです。ほかにもミネラルや抗酸化物質として知られるポリフェノールも含んでいるので、旬の時期にはぜひ、身体にとりいれたいですね。






~ いちご大福あれこれ ~



さて、いちごは生で食べても十分おいしいですが、いちごが手に入りやすい時、たくさんある時にはいろいろスイーツにしたくなるもの。いちごミルクにアイスクリーム、ムースにパフェにいちご飴などほかにもいろいろ作ってみたことがあるのですが、10数年前、友人から手作りのいちご大福をお土産にいただいた時の「これも作れるんだ!」という驚いた記憶があります。


いちご大福の登場は1980年代といわれていて、元祖のお店は諸説あり、調べるといくつかのお店の名前があがっていますが、はっきりとしていないようです。私が初めて「いちご大福」が流行っていると聞いた時はこどもながらに、あんことあわせるのは邪道だと思ったのを覚えています。実際初めて食べた時も大福といちごは別々でいいなと思ったのですが、いつのまにか、いちご大福に違和感を感じず、これもこれで美味しいなと思うこの頃。いちご大福も色々で求肥に包まれたもの、大福餅の切れ目に入れてあるもの、餡も小豆餡だけではなく、白餡、そして生クリーム入りなど色々あって食べ比べしたくなるぐらいです。



時々、市販のものを食べた時にいちごが舌にピリピリ感が生じることがありますが、イチゴから発する炭酸ガスによるものだそうなので、買った時も、自家製で食べるときも、すぐ食べるのがおすすめ。



いちご大福の材料となる餅粉や白玉粉やあんこはスーパーで売っているので、家で作って、できたてを食べるのも夢ではありません。ちょっとぐらい不格好でも出来立て自家製いちご大福は、愛おしく美味しいので、機会があったら是非作ってみていただけたらと思います。



写真提供:ohana農園さま




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